『フッサール『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』7月 (NHKテキスト)』
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2025-06-25
誰もが共有できる価値を見つけ出す哲学、それが現象学だ! 本書が著されたのは20世紀前半のヨーロッパ。あらゆる学問が発展を遂げ、人類は世界をより深く、より正しく理解できるようになった。にもかかわらず、哲学者フッサールはそこに「諸学の危機」を見て取る。客観的な真理や発見を追い求めるあまり、原点である「どう生きればよいのか」「何がよいことなのか」が置き去りにされてしまったからだ。私たち人間という存在に深く関わるこれらの問いに、学問が再び向き合うことができるよう、フッサールは「現象学」を提唱した。 生きる意味や価値を共に探り、分かち合うことで、よりよい社会のあり方も見えてくる。現象学のエッセンス、そして今すぐ実践できる、現象学を用いた哲学対話の手法を学ぶ。
超越論的間主観性、めちゃいい言葉
フッサールは主観をないがしろにすることに批判的
物心二元論や相対主義では共同体が目指すべき理想や共有される価値といったものが存在し得ない。それだと世界から意味や価値が消えてしまう。
現象学的には一旦すべての世界は主観に内包されているとする
その中でも私たちは、「世界信念」として客観的な世界の像を持っている
ものが客観的に存在するという信念は以下の条件によって形成される
ありありとした知覚
一貫性
他者との一貫性
他者の知覚を信頼するからこそ、この世界の実在感がある。自然科学もこの原則によって成り立っている。
宗教も世界観を他者と共有できなければ力を持つことはできないし信じるに足るものだと思えない